組み込みOSの情報は、エンドユーザにはあまり開示されないことが多く、Webを調べても断片的な情報しか手に入りません。Windows Embedded Compact 7は2010年にリリースされましたが、情報としてはマイクロソフトのリリースやMSDN、有志の開発情報などしかなく、よくわからない状況でした。

今回、Windows Phone 7や今後のWindows 8、Xbox 360の動向を見極めるため、あまり関係ないようで、関係ありそうなこのWEC(Windows Embedded Compact)について搭載端末が出ていないか調べてみました。

シャープ製業務用携帯端末“HandyBrain“

シャープ、使いやすさ重視の業務用携帯端末「HandyBrain」


4.3インチ液晶(800*480ドット)の業務用端末。OSはWEC7。ICカードリーダー、GPS,3G通信、カメラ、バーコードスキャナなど搭載している。これまでのWindows CEの延長線上にあるような、在庫照会、商品管理向けの端末。

キーエンス 大画面無線ハンディターミナル


工場での利用を想定したようなタフなWEC端末。OSはWEC7。CPUはARM Cortex-A8(800MHz)、RAM256MB,Flash512MB、3.5インチTFT、スキャナ

Asus Eee Pad EP101TC


 こちら
でも紹介しましたが、2010年に発表された、ASUSのTegra2搭載Windows Embedded Compact 7タブレットです。ただし、この後出たのはAndroidタブレットで、この端末はお蔵入りになったようです。それでも、作りこまれたUIはなかなかのもののようで、WECを搭載した、コンシューマ向け端末というのは、あながち死んでいないのかな?という印象です。


 このほか、チップやボード単位でWEC7による開発環境を提供する企業や、WEC7上の開発を行うサービスなどはあるようですが、これといって目立った使われ方はされていないようです。POS,デジタルサイネージ、ネットワーク機器などには、Windows 7カーネルを利用したWindows Embedded Standardが利用されることが多くなり、現状ではそちらの活用の方がトレンドのように思えます。


 7世代より、CE系は完全に業務用とに移ってしまい、コンシューマ向けは、Windows Phone 7のみがCE系製品となっています。今後Windows Phone 8でフルWindows版カーネル(NTカーネル、Windows 8カーネル)が利用されるようになれば、CE系のカーネルをコンシューマが意識して購入することも、組み込み系以外の開発者が触ることもなくなってきそうです。


 カーナビでは、Windows CE系のカーネルが良く使われると聞きますが、比較的リッチなハードウェアを使っていることもあり、こちらもWEC7を通り越してWindows 8カーネルへの移行が進むかもしれません。一方で、昨日のドコモの発表で期待されたWindows Phone発表が、WP8登場が予想される2012年Q4まで持ち越されるという点などにみられる、”8”待ち現象が、Windows Embedded分野でも起こっているのかもしれません。